小説イラストレーター蒼生のなんでもやってみるブログ

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【朗読動画と感想】高瀬舟 森鴎外 船よりも安楽死を問う

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こんにちは、蒼生です。

今回は森鴎外高瀬舟です。

この作品は旧漢字が多くとにかく読みにくい作品でした。

ふつうこんな旧漢字だらけじゃ読まないし読めない。でもがんばって何度もとりなおして完成させました。

読むのはしんどいけど、聞くだけならそんなことないのでぜひ聞いてください。

作品に触れるハードル下がってます!!

最近読んだ作品の中でも特に深い作品でした。

 

ところで高瀬舟ってなんだ?って思うじゃないですか。

時代は江戸時代、松平定信の時代。

高瀬舟というのは罪人を島流しにするときに使う船で、

登場人物は島流しにあう罪人喜助と同心庄兵衛です。

庄兵衛は喜助を乗せて船をこぐのですが、喜助が罪人らしからぬ様子だったので不思議でしょうがなく、ついに彼に声をかけます。

そして罪人喜助の物語がその口から語られるという構造です。

 

高瀬舟は短い話ですが二部構成です。

一部で喜助の人となりと庄兵衛の人となりが語られます。

喜助の無欲さに、けちんぼといわれる庄兵衛がショックを受けて自分を顧みるという形で、最初のインパクトと深さを演出しています。

 

喜助があまりに立派な人物なので同心庄兵衛は無意識に

喜助「さん」と呼んでしまう。

庄兵衛「あ、やべ!」

と思ったもののもう口から出した以上、引っ込められない。

そしてそんな立派な「喜助さん」はなぜ罪を犯して島流しにあうのか尋ね、第二部が始まります。

 

喜助には弟がいて、その弟が病気になって寝込んでしまった。

喜助は彼の分まで働いて稼いでくるものの、弟はそれを心底申し訳なく思ってしまう。

そしてある日喜助が帰宅したところ

信じられない光景を目の当たりにします。

弟が血だらけになっているのです。

弟が言うには、自分はもう助からないから兄を楽にしてやりたかった、というのです。つまり自殺未遂です。

喜助は医者を呼ぼうとするものの、弟に止められ、

彼にせがまれてついに彼の望む通り彼の命を止めました。

それを目撃されていて、お縄にかかったというのが事のいきさつでした。

 

森鴎外高瀬舟安楽死を問う作品ですが、答えは出ません。

庄兵衛も疑問を感じ、答えを出せないまま、物語は幕を閉じます。

 

この作品の良さは森鴎外のバランス感覚にあります。

ツイッターの方で冗談でつぶやいたのですが

 もし他の作家がこのテーマで作品を書いたら、

これほど静かで冷静で深い作品にはならなかったと思います。

グロテスクになったり、メロドラマ的になったり、現実のつらさから離れようとしたりしてしまったと思います。

それほどこのテーマは重い。

 

この高瀬舟を読んで思ったことがあります。

それは、私の愛するヴィクトル・ユゴーレ・ミゼラブル」と同じ感想なんですが

生活保護あったらこの物語は

始まりもしなかったね。

ということです。

パン一切れのために獄につながれたジャン・バルジャン

貧困の中で支えあっていたのに、病気になって働けなくなり、ついに死を選ばざるをえなくなるほど追い詰められた弟も、その苦しみのもとは

貧困にあります。

貧困が生み出す様々な悲しみや問題は、あらゆる文学のテーマになってきましたが

それほど貧困というものは人を不幸にし、取り返しのつかない悲劇を生んでしまうのだとわかります。

今では生活保護がありますが、

残念なことに心ない生活保護叩きも同時に存在します。

でももし、この制度がなければ「高瀬舟」のような「レ・ミゼラブル」のような

または「羅生門」のようなことが起こりえるのです。

 

そんなことを考えながら朗読していました。

高瀬舟。本で読むと旧漢字多くて高確率で挫折してしまう作品ですが

素晴らしく深い作品ですのでぜひ聞いてください。

今日夜寝る前に公開されます。

 

 

 

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