小説イラストレーター蒼生のなんでもやってみるブログ

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乙武 洋匡さんのこの記事を読んで。

著書 五体不満足で有名な乙武 洋匡さんのこのnoteを共有させていただきます。

note.mu

 

この記事の中で、氏は聾のガイドや性転換をした女性と出会い、ごく簡単なコミュニケーションの中で不自然な違和感を覚えます。

例えば、ネパールの空港から目的地まで案内してくれた聾のガイド。彼は氏が話しかけても

あーとかうーとしか言えません。けれどジェスチャーを使って彼にここは段差があるとか注意を促し、無事目的地まで案内し、成果としてチップを要求します。

氏は狐につままれたような気持ちになったそうです。

そしてその感覚を追求して、その前に出会った野太い声の女性(性転換前は男性だったろうと思われる人)が商品の値段を告げた時にぎょっとしたことを思い返します。

 

その違和感は、自分がそうだと勝手に思い込んでいた事と違うことが目の前に現れたからで、それでも二人はそれぞれの役目を果たし、特に問題も生じていないのです。

だから氏は記事の中で自分の思い込みを恥じたとあります。

 

これはきっとどこにでもある、誰にでもある思い込みから生じる光景なのだと思います。

 

それを氏はふぞろいなりんごにたとえていますが、

日本の社会は綺麗なりんごを前提に作られているとあります。不揃いなりんごが社会で活躍することに違和感を覚えてしまう。またはそもそも活躍できないような仕組みを作っている。

そうした所が多分にある。

私は機会が均等であり、活躍できる社会こそ多くの人にとって生きやすい社会だと思っています。

私事で恐縮ですが、私はよく旅行にいきます。その時に大きくて重たいスーツケースを持ち歩いています。すると何も持っていない時には気づかないわずかな段差やスロープやエレベーターの有無が大きな障害になります。だからこれはご年配の方や車椅子の方が感じている障害と同じことなのではないかと毎度気づかされます。

しかし、全国の様々な場所に行くと、まれに非常に動きやすい場所に遭遇することがあります。それは大概人の多い街だったりするので、バリアフリーが行き届いている場所は都会と思うようになりました。(逆に人が多くてもバリアフリーが整っていない所もあるのでそういうところは私にとって都会ではありません)

 

人の多く住む場所や活躍する場所では社会インフラのバリアフリー化がどんどん進んできているように思います。

そして社会インフラの次は精神的な面のバリアフリー化が課題になってくるのだと思います

日本の「自称保守」政治家などが時折マイノリティや障害のある方などに対して差別的、または不用意な発言をすることがあります。またそうした発言を擁護する人々もいます。

しかし、その人たちが生きやすい社会は間違いなく、ごく普通の人にとっても生きやすい世界です。例えば先のスーツケースの例がそうです。

それにそうした人々が活躍できる社会は間違いなく活気があり、多様性から多くのものを生み出していくクリエイティブな社会だと思います。

プラスしかないのです。

その偏見さえ捨ててしまえば。

 

 

私が小説ただひとの中に車椅子の技術者イーサンを出したのは、こうした考え方が根底にあったからです。

氏の五体不満足を子供の頃に読みました。私の周りにそうした方は居ませんでしたが、本の中でそうした存在や考え方や生きかたを教わることができました。

次に大人になってからニックブイイチという方、この方も氏と同じように先天的に四肢がない状態で生まれた方です。その本を読んでどんなに辛い思いをしたか、そして皆と同じような体ではなくとも色んなことに挑戦できるということを発信し続けているその勇気に感動しました。

私はこうした方々の本から影響を受けて、ただひとの一人としてイーサンをつくりました。

イーサンは強い人という意味です。

彼は本当に明るくて、前向きで夢に向かって一生懸命です。

そして仲間たちも当たり前のように彼を受け入れ、彼も世界のために自分の才能を活かそうとします。私は彼のような人間にヒーローになって欲しかったのです。

 

私は完全なフィクションだからこそ多くの人に受け入れてもらえると思う部分があります。

ただひとは、社会派な内容を多分に含んでいます。

もしこれを現実の世界の中で展開する社会派小説にしてしまうと、フィクションとはいえ現実を想起してしまいすくなからぬ人の心に心のバリアを張らせてしまいます。

けれどその世界観からして完全にありえないファンタジーなら、安心して受け入れてもらえます。ありえない、作り事。だからいい。

しかもただひとはゲームにする事を前提に物語を作っています。つまり対象年齢が低いのです。

子供の頃に遊んだゲームは大人になっても覚えているものです。

ゲームは擬似体験するものですからその経験は大きなものです。

そして私がそうだったように、人生のまだ始まったばかりの頃に、そういう人の存在を知って欲しい。当たり前に感じて欲しい。周りにいなくても、普通に居る人達として、できれば共感してほしい。

そうした希望を持ってイーサンを作りました。

 

 

今、当たり前じゃなくても、当たり前の方がいいことを

次の時代に当たり前にしていこう。それは一人一人の考え方の変化から可能になっていく。

そうした事を氏の記事を読んで気づかせてもらいました。

この社会がもっと住みやすい社会になるように、ぜひ氏のこの記事を読んでみてください。

 

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