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小説 ただひと EP26 天空要塞(2)

ネット公開版   小説 ただひと   作 蒼生

 

EP26 天空要塞(2)

 

飛空挺前にはすでにアウダス他面々が集まっていた。イーサンはヘリオスとルミエールが来ると待っていたとばかりに話し始めた。

「みんな、聞いてくれ!突然天空要塞が現れて各地に何かのエネルギーを照射している。しかもその照射している場所というのがソロンさんが以前現れて魔法陣を残した所なんだ」

「じゃあ、ソロンが」

アウダスの言葉にイーサンも頷く。

「僕もそう思ってる。ソロンさんが何の目的でそんな事をしているのか分からないけれど、色んな事を突き止めるためにもそこに行ってみる必要があると思うんだ」

それにアウダスも頷いた。

「少しでも手がかりがあるなら行くしかない」

「私もソロンさんの真意を確かめたいわ」

セレーネも続いた。

「私はセレーネを守り、御石を取り戻さないといけない。行くわ!」

エリヤも叫んだ。

「僕が居ないとみんなすぐに無理しちゃうでしょ。行くよ。僕も!」

マナも手を挙げた。

「こうなったらあの暴れ馬に乗ってやるか。先陣切って行く面子ばっかりじゃ防御が手薄になるだろう?俺みたいなしっかり者が一人はいないとな」

ルミエールが言った。ヘリオスは、またディオンと戦うことになるのではと恐れていた。でもだからこそ、彼の気持ちを確かめなければという思いが強くなり覚悟を決めた。

「俺も行く!行って確かめる」

全員の答えを聞き終えて、イーサンは口を開いた。

「よし、わかった。アイオーンも改良し終わって万全の状態だ。自動平衡装置も取り付けたからもう大丈夫だよ。ルミエール、もう暴れ馬じゃないからね。じゃあみんな、アイオーンに乗り込んで!僕が操縦するから!」

 ヘリオス達はアイオーンに乗り込んだ。イーサンはエリヤから石を預かると増幅装置に置いた。再びアイオーンが動き始める。

「さあみんな、もう一度飛ぶよ」

 イーサンが操縦席に座って様々な計器やボタンをいじり始める。アイオーンの振動が大きくなり唸りをあげてエンジンが動き始めた。倉庫の天井が開きアイオーンの飛行を促す。そして黒奇石からのエネルギーが増幅され、アイオーンは浮き上がった。

「さあ、飛ぼう。アイオーン!」

それに答えるかのようにアイオーンは空に向かって高く飛び上がった。

 最初こそ重力に抗うような振動があったものの、完全に浮き上がってしまうと、地表にいた頃となんら変わらないほど静かだった。ルミエールは驚いた。

「なるほど。これが改良の成果か。これなら安心して乗っていられるな」

「そうでしょ!苦労したんだから!」

イーサンが振り向いて誇らしげに言った。

 アウダスは地図を手にイーサンのそばまで行き尋ねた。

「イーサン、その天空要塞が現れた場所というのはどこかわかるか?」

「あ、それはここだね」

イーサンは五箇所ほど指差した。今は多分、このポイントに向かって移動しているはずだから、先回りしたほうがいいね」

天空要塞は半円に連なる魔法陣を追うように移動しているようだった。

「天空要塞は幅が二キロはあるようなんだ。それに比べるとアイオーンは三十メートルしかないからかなり小さい。乗り込むときはギリギリまで寄せるからみんな飛び降りて乗り込んでいく形になるけど大丈夫?」

「どの程度寄せられるんだ?」

「うーん、天空要塞の動きはアイオーンより鈍いから安定していたら接岸することもできると思う。ただ、無理そうだったら鎖を要塞に放ってそれを伝って行ってもらうことになると思う」

「なんか怖いなぁ」

それを聞いていたマナが不安げに呟いた。

「実際やってみないとわからないけどね」

イーサンはそう言うと、操縦桿を握って飛空挺を加速させた。

 

  

つづく

ただひとEP26(3)

 

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