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小説 ただひと  EP20-2 決断(2)

ネット公開版   小説 ただひと   作 蒼生

 

 EP20-2 決断(2)

 

その日の午後、突然ヘリオスらはアウダスに呼び出された。理由がよく分からないヘリオス達はなんだろうと、各々理由を想像しながら部屋を出た。

「アウダスの部屋は綺麗で広くて良いよね。僕もあの部屋の方が動きやすいから変わってほしいな」

アウダスの部屋に向かう途中、マナは呑気に言った。

「それにしても突然呼ばれるなんてこの前の事かしら。でもヘリオスは全く知らなかったわけだし」

セレーネは不安げに呟いた。ヘリオスは覚悟しているのか緊張した面持ちで黙っている。ルミエールは彼の肩をたたいて励まそうとした。

「とにかく、問い詰められるにせよ、雑談で呼ばれたにせよ、今どうこう考えても仕方がない。な、ヘリオス。それにお前は知らなかったんだし、気負うな。大丈夫だ」

「ああ」

ヘリオスは頷いたが、やはり不安があるようですぐに俯いた。

 部屋に入ると、アウダスとディートリヒが居た。

「来たな」

アウダスは扉を閉めさせると話し始めた。

「これからここに集まっている者達でソロンを追う。これは特殊任務だ。ついて来てくれるな?」

予想外の話だったがルミエールはすぐに「ああ!勿論だ」と答えた。それに他の者も続く。アウダスは感謝を示す様に全員に目を配った。そしてヘリオスの表情が強張っているのに目を止めた。

ヘリオス、ディオンがスパイだった事は残念だ。だが私情を挟まず任務を遂行してくれ」

「はい、心しております」

「でもその間首都の防備が手薄にならないかしら」

セレーネの疑問に答えたのはディートリヒだった。

「それは心配ないわ。ここには私が残ります」

「今後軍の指揮はディートリヒがとる。将軍職もディートリヒが引き継ぐ。俺は遊撃部隊の隊長だ」

「え、そんな事って」

一同は驚いた。

「今の不安定な状況で多くの兵士を外の任務につかせるわけにはいかない。これが一番の良策なんだ」

二人の表情から何か深謀遠慮の末に決められたことだというのがわかった。

 ヘリオス達はその任務を受け、ディートリヒから地図をもらいその後詳しい説明を受けた。

 

つづく

 ただひとEP21

 

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