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小説 ただひと EP19 蘇る法典(2)

ネット公開版   小説 ただひと   作 蒼生

 

 EP19 蘇る法典(2)

 

「自由の国か」

少し離れた所から見ていたヘリオスは、ルミエールが語った新しい言葉をゆっくりと噛むように繰り返した。

「新しい世の中になるのね」

セレーネもそれに頷く。しかしディオンはユトレヒトの言葉を暗い気持ちで思い返していた。

「あの怪物が言っていたように、試されるのはこれからだろう」

だがアウダスは楽観しているようで、かつてのレジスタンス達の姿を穏やかな表情で眺めていた。

「きっと昔とは違う。この自由は一人一人が命をかけて手にいれたものなのだから」

そこへルミエールがやってきた。

「ルミエール、もういいの?」

マナはレジスタンスの輪を見ながら尋ねた。

「ああ、俺の大仕事は終わったからな」

彼はアウダスの方へと歩み寄った。

「アウダス...ついこの前まで敵同士だったのが嘘みたいだな」

彼は昔からの戦友に接するときのように右手をさしだした。それをアウダスは力強く握り返す。

「全くだ」

二人は笑いあった。

「アウダス、レジスタンスはその役目を終えた。これからは俺もお前と同じものを守り、この国を支える。だから一つ頼みがあるんだ。アウダス、俺を国軍に入れてくれないか?なんなら雑用係でいい」

ルミエールの突然の申し出にアウダスは驚いた。

「しかし」

「頼む」

ルミエールに頭を下げられ、アウダスも最後には承知した。

「分かった。…では共にこの国に仕えよう」

ルミエールはアウダスの言葉に「ああ!」と力強く頷いた。ヘリオス達は彼らの姿に新しい時代の訪れを見ていた。

 

 

つづく

 ただひとEP20

 

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