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小説 ただひと EP13 弾圧命令

ネット公開版   小説 ただひと   作 蒼生

 

 

EP13 弾圧命令

 

 

ルミエールらが逃走した後、アウダスは直々に王に呼ばれた。

「陛下、アウダス参りました」

王は池に餌をまいていた。アウダスの礼には見向きもせず、王は餌をまきながら言った。

「アウダス将軍、城下に居る不審な活動家らを全員捕らえて処刑せよ」

アウダスはその命令の冷酷さに絶句した。王は更に続ける。

「その家族、知人の類も残らずそうするのだ」

「ですが陛下…」

「私の命令が聞けぬのか」

王ははじめて彼を見た。

「副将軍からも聞いておる。お前は活動家らに甘く、先の殲滅作戦を非難すらしたようだな。それでいて、活動家らを野放しにして、挙句のはてには頭領すらも牢から逃がしたとか」

「あれは逃がしたのではなく、脱走で…」

「言い訳はいい。結果を示せ。お前が忠実な臣下なのか、それとも不埒な連中の仲間なのか」

「私は…決してそのような」

「ならばすぐにでも城下に取り締まりに行くが良い。そしてすぐに首級を並べて報告せよ。お前なら簡単なことだろう。将軍、これは最後のチャンスだ」

アウダスは何も言えずに呆然と突っ立っている。

「もういい。下がれ」

「…はっ」

彼は王の間を出るなり頭を抱えた。しかし誰もこの重すぎる任務から救ってはくれないのだった。彼は一人苦悩しながら自室に向かった。アウダスはこの命を全兵士にも告げなければならない。彼の地位が彼の人格を超え残酷になるように強いていた。

 

  

つづく

ただひとEP14

 

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